NHKがビジネスホテルチェーン大手「東横イン」とグループ会社へ支払いを求めた訴訟で最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は東横イン側の上告を退ける決定をし、東横イン側に約19億3500万円の支払いを命じ確定しました。
今回の件で、ネット上ではNHKに対して「なぜ?」の声が広がりました。
東横インだけがこんなにも多額な費用を払うのか、他の日本のホテル事情はどうなっているか、さらに今回の件についてネットではどのような声が上がっているのかまとめました。
東横インがNHK受信料19億円支払い確定に国民がざわつく
NHKが東横インに対してNHK受信料の未払い分約19億3500万円の支払いを命じ、確定した事に対して、ネット上では様々なコメントが流れました。
NHKの受信料に関しては、国民が「なぜ払わなければならないのか」疑問に思っている方も多いですし、NHKの回答に今だ納得していない人が多いのは事実です。
テレビを保有しているだけで払う(見ていないのに)というのはどれだけ説明されても、納得いきません。
そのため、今回東横イン1棟に対して1契約ではなく1部屋に対して1契約についても様々なコメントが流れましたがほぼNHK側を賛成するような意見はありませんでした。
- 東横イン頑張れ・・・
- 選挙前に判定が出ていたらN国にもっと票が入ったのでは
- NHKひどい
- 法改定を求む
- 東横インさん、テレビ全部取っていいですよ、今スマホありますし
など、東横インを応援する声やN国に対する期待の声で溢れていました。
なぜ東横インだけが多額のNHK受信料の支払いを?他のホテルはどうなってる?

写真引用:http://road-to-free.red/全国どこでも使える東横インの「東横innクラブカ/
今回の東横イン vs NHK受信料の支払いについて、まずどういう背景だったかをまとめます。
NHKは長らくホテル1棟につき1台分の受信料しか請求していませんでした。
NHKとしてはそれでは少ないとして、1997年2月、創業者の西田憲正氏とNHKの担当者の間で、全テレビの5%相当の受信料を払うという「1997年合意」が成立したとされています。
5%の根拠は、ホテルの稼働率を60%、宿泊客の半分がテレビを見るとして、ビデオを含めた6チャンネル分で割るというものだったようです。
2006年、会計検査院が東横インの契約率が5%であることを指摘し、NHKに締結件数の引き上げを求めたことで状況が変わります。
ほどなくNHKは契約率の低いホテルを中心に対応を強化。徴収率を上げるため契約率100%の事業者に対し、受信料がほぼ半額になる「事業者割引」も始めました。
しかし、ほかのホテルを説得するには、東横インに全室契約してもらわないと示しがつかなく、一方の東横インも急に全台は難しい。そこで結ばれたとされるのが、「2008年合意」でした。
2008年合意の中身は、当面の放送受信契約の締結率を5%から20%にしたうえで、5年後の2013年10月までに100%の契約となるよう、段階的に契約の締結率を引き上げるというものだったという。
しかし、経営の関係から、締結率の引き上げを猶予し、一時的に25%の据え置きにしてほしいというのだ。これが東横インの主張する2010年・2011年合意。
「東横インは2014年2月、契約率を100%にしました。2010年・2011年合意で進捗度合いが変わったものの、2008年合意の内容は守った。だから、合意の割合を超えて裁判でNHKが求める2012年1月〜2014年1月までの全室分の支払いは免除されていると主張したのです」とのこと。
NHK受信料の請求権の時効は5年。今回の請求が2012年からなのは、全室にテレビを設置したことが証明できるのが、この時期からという事実認定の問題とのこと。
一方のNHKは一貫して100%の契約を求めていたというものです。
ただし、完全契約にこだわって一銭も徴収できないと困るため、申し出があった分については受け取っていたとしています。そのうえで、100%に向けて交渉していたと。
参考:https://www.bengo4.com/c_23/n_6149/
他のホテルもNHK受信料を支払っている
東横インが真っ向からNHK受信料に対し抵抗していたため、今回このような大きなニュースになりましたが、現在、旅館やホテルも1棟1台契約は昔の話で東横インのように全室支払いが義務になっています。
基本的に部屋が空いていても全室分NHK受信料は徴収されます。
支払っているホテルもあれば、今だに未払いのホテルも存在しているようです。
さらに東横インの他にもホテルがNHK受信料に対して真っ向勝負をしていた所もありました。
NHKが受信契約の締結に応じない東京都内のホテル運営会社に契約の締結と受信料の支払いを求めた訴訟の上告審判決がありました。
最高裁は2018年2月9日、ホテル運営会社側の上告を棄却しました。
参考:https://hotel756.blog.fc2.com/blog-entry-19.html
現行の法律上では、一般家庭においては家に何台あっても契約受信料は変わりませんが、事業所や住居以外の場所に設置する場合は原則部屋ごとの契約になるとNHKのサイトに記載があります。
なので今回のビックニュースは東横インだけがNHK受信料未払いの支払い対象ではなく、他のホテルにも言えることなのです。
東横インNHK受信料支払いのせいで値段が上がる心配の声
今回の判定で心配なのは東横インの宿泊の値段が上がるのではというもの。
ビジネスマンにとっては東横インを活用する方も多いですし、値段が上がると経費が高くなる心配の声も出ています。
まだ東横インでは値段について正式な発表をしていませんが、ここで疑問になるの二重払いについてです。
お客がNHK受信料二重払いになるのか?
宿泊するお客は家でNHK受信料を払っているし、もし東横インの値段が上がればさらにそこでNHKの料金を支払う事になるのでは?という疑問があがります。
実際に一般家庭においては直接私達が契約し支払う事になっていますが、ホテルにおいては事業者側がNHKに払う事になっています。
それがいくら事業者側が払うとは言え、経営的な利益の計算をした時、NHK受信料金も宿泊者が少なくとも負担しているのは事実です。
そう思うと、今回の件で特に私達がもっとNHK受信料について考えなければならないと痛感させられます。
NHK受信料について考え直したい放送法
今回の件で、なぜこんな判定を出したんだ!と裁判員に問いたいというコメントが多く見られましたが、法律で決まっている事を重視した結果であればしかたがない結果だったのではと個人的に感じます。
NHK受信料に関しては、根本的にもっと見直すべき点があるのではという声がどんどん上がってきました。
NHKと東横インの裁判が話題だけど、これNHKをどうにかするより放送法そのものを改定すべきなんじゃないかと素人ながら思ったり
— てあてん(てぃあちぇん) (@Thia_Chen_) July 26, 2019
東横インの裁判めちゃくちゃだけど、裁判官は現行法とNHKの契約規約に則して判決を下しているわけで、非難されるべきなのは放送法64条とNHKの規約でしょ。
— テン@DQX (@ten_dqx) July 26, 2019
#NHK受信料 に思うところはあるけれど、東横インの件で裁判員に×つけようってのはあんまりでは? 放送法でこう決まってる以上、それに従って判決した裁判官は悪くないと思う。この判決を覆すためにはまず法改正をしなくてはならない。画像はウィキペディアの「NHK受信料」のページ pic.twitter.com/nsFBsRjUY9
— Noname (@ThisIsHimajinn) July 26, 2019
時代に合わせた放送法の改定について、今回の件で関心が出た方もいらっしゃると思います。
NHKというよりも放送法の見直し。
私達の生活費に関わる事なので、もっと真剣に考えたい所です。

まとめ
今回はなぜ東横インだけがNHK受信料を高額払うのか、他のホテルも同様に払っているのかをまとめました。
結果、東横インは前から契約の同意や見直しを続けていた事もあり話題になりましたが、他のホテルも同様に事業者は部屋ごとに契約が必要だということがわかりました。
払っている事業者やまだ未払いの所もあるかと思います。
2019年5月、NHKは2018年度末のNHK受信料の世帯支払い率が81.2%だと発表し、公表始まった11年度以降最高と発表。
ますますNHK受信料の徴収は加速していく可能性が高まっています。